支え合い、できている事実を育む
■できているという事実
幸い、私たちがご縁をいただいている農家さんの多くは、真摯に現状の農業の問題に向き合い、自然栽培に行き着き、着実に実践してくださっています。今、私たちの目の前には、肥料や農薬に頼らずできているという事実があります。できる方法があるのです。できるにはできるわけがあったのです!

だからこそ、大自然を師とし、大自然の力を引き出す農業の可能性を農家さんと共に研鑽するようつとめています。自然の偉大な力、つまり田畑の潜在能力を発揮させる自然栽培。できるようになるには大自然に学び、大自然の有様を尊び、大自然に沿っていく姿勢が強く求められます。田畑の潜在能力を発揮させるために、理想の土を作っていく必要があります。


■事務局ナチュラル・ハーモニーの例
〜作付け政策〜
圃場登録した田畑に対し、生産依頼をし全量または必要量、買い取るしくみ

私たちは圃場登録をして作付けをして、これだけやろうとなった作物の栽培計画された量を全量買い上げる契約をしています。それによって、農家さんには安心して生産に注力していただけるようにしているのです。

消費者のみなさんが自然栽培を支えてくださることにより、農家さんは大地を清浄化し、自然の力を田畑に結集することに集中して取り組むことができています。本当に大きな支えとなっているのです。
一般的に流通業者は、必要な量を必要なだけ買い取るという仕組みがほとんどです。全国の生産地を次から次へといいところ取りをしていくということです。

農家が生産だけでなく、販売まで意識することは、非常に不合理なことです。ただでさえ、未知のリスクのある自然栽培の取り組みなのですから……。これまでの現代農業の歴史は、流通が農家を苦しめ、消費者を裏切り、農家が流通をだまし、消費者をだます。

消費者は安い、便利、簡単といった利便性だけを求める。そんな関係だったのだと思います。それは、いわば今の社会の縮図です。そこに一石を投じて、経済活動を通して人と人、自然と人とのつながりと信頼を回復しようとする試みといえます。


■心と物の両面 支え合うつながりを作る
自然栽培農家がいいます。
『安心安全』って、それは本当の意味での信頼関係がないからだよね。
本当につながりがあるなら、相手をお互いが思えるなら、安心安全は求めなくてもよくなるはずだ。自然に向き合えば、農薬や肥料はおのずから使わなくなる。そこに安心感がすでにあるはずなんだから……。

もちろん、これまでも、いつの時代も争いは絶えなかったかも知れません。しかし、本来の作り手とつなぎ手と暮らし手の関係が取り戻されたとき、安心安全は当たり前のものになるのではないかと思うのです。

生産と流通と消費、そして田畑の土と植物たち。そのそれぞれの場所に笑顔があふれるように。これが自然栽培を極めていく中で求めていることです。


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